賃貸借契約書に記載すべき事項
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、ビルの賃貸借契約書に記載すべき項目についてお話ししようと思います。
トラブルを防ぐためにも、契約書の内容は非常に大切です。
契約書を作成する上で必要な項目を上げていきましょう。
賃貸物件の名称、所在地、号室
物件の正式名称、所在地、貸室の号室を明記します。
貸室の場所が分かる図面があれば、図面を添えることもあります。
物件の引き渡し日
物件の引き渡し日(契約開始日)を明記します。
使用目的
事務所利用、飲食店利用など、使用目的をできるだけ明確に書きます。(事務所であれば、業種まで書く方がベターでしょう。)
賃貸借期間
賃料、共益費
賃料共益費の支払い方法
振込みなのか、現金なのか、引き落としなのかを明記します。
賃料共益費の改定
経済情勢の変動や、近隣同種の建物に比較して賃料・共益費が不相当となったとき、双方協議の上賃料共益費を改定することができる旨を明記した方が良いでしょう。
請求書
毎月の請求書のお渡し方法について。手渡しなのか、ポスト投函なのか、郵送なのか等。
保証金
光熱費等の負担
貸室内の電気代の他、発生する光熱費があれば明記。
消費税の負担
「消費税の税率に変更があった時には、新税率による消費税額を負担する」旨を記載することも忘れずに。
解約予告
解約の予告期間や、通知方法について。
契約の終了
どういった場合に契約が終了するかを明記します。
禁止行為
例えば転貸の禁止や、自転車の持ち込み、勧誘行為、ペットの飼育の禁止など細かく書きましょう。
契約の解除
例えば賃料の滞納が続いた場合や、賃借人が音信不通、消息不明となった場合など、契約の解除の対象となる事柄を書きましょう。
原状変更
間仕切りなど、内装工事をする場合のルールについて明記しましょう。
建築基準法・消防法などの法令遵守は必須です。
修理
設備などの破損、汚損があった場合の通知や、費用負担に関することを書きます。
善管義務、損害賠償
規約違反や契約解除などによる損害賠償について定めます。
連帯保証人
個人が連帯保証人となる場合、極度額を明記しなければ無効になってしまうので注意が必要です。
反社会的勢力の排除
反社会的勢力の排除に関する文言は必須です。
賃貸人の免責
災害など不可抗力により建物が使用できなくなった場合の賃貸人の免責について。
買取請求権の放棄
賃借人が賃貸人の許可なく物件の修繕をなしたり、物件のため有益費を支出(造作等)したりした場合において、この買取請求権の放棄に関する文言がないと、買取請求をされる場合があります。
明け渡しおよび原状回復
明け渡し時の鍵の返還や、原状回復に関することを細かく書きます。
物件返還の遅滞
明け渡しが遅滞した場合の損害金について。
通知義務
例えば賃借人の内容に下記のような変更があった場合、その旨を賃貸人に通知することと、通知方法を書きます。(書面で通知が望ましいです)
① 乙または保証人の商号・住所・代表者の氏名。
② 本物件の使用(火元)責任者・緊急連絡者の住所・氏名。
③ 乙の組織・営業目的等。
立入点検
賃貸人または賃貸人の代理人(点検業者等)は、物件の保全・衛生・防犯・防火その他の管理上必要あるとき、随時本物件内に立入り必要な措置を講ずることができることと、賃借人はそれに協力しなければならない旨を書きます。
居住権
事務所利用の場合、賃借人には賃貸人に対して居住権等を要求できない旨を書きます。
看板、広告物等
看板や広告物に関する取り決め。
物品の搬入出
トラブルが多い項目です。搬入出の際の養生や、時間帯についてルールを細かく決めることをお勧めします。
電気容量の制限
重量物等の搬入/電話の引き込み
予め賃貸人に許可を得ることとした方が良いです。
貸室内の清掃
賃借人が貸室内の清掃に、清掃業者を利用する場合は、セキュリティ面から賃貸人の指定業者とした方が良いでしょう。
館内使用規約
管轄裁判所
協議事項
(例文)本契約に定めのない事項および契約条項の解釈に疑義が生じたときは、関係法令並びに一般の慣習に従い、甲・乙双方とも誠意をもって協議のうえ解決にあたる。
*******
その他、物件の特色や条件に合わせて特約事項を追加する場合もあります。(例えばフリーレント等)
また、法令遵守にも気を付けなければならないため、法改正がある度に契約書の内容を見直しアップデートすることも大切です。
契約形態が定期借家契約(契約期間が予め決まっており、自動更新ではない契約)の場合は、契約書とは別に書面が必要になってきたり、契約書の内容も少し変わってくるため注意が必要です。
弊社では、賃貸借契約に関するサポートも承っております。
お気軽にご相談ください。