オフィスビルの空室対策5選や空室が発生する原因を解説

オフィスビル管理にとって、何よりも重要なのが「空室ゼロ」をキープすることです。空室率を下げるために、もちろんどこのオフィスビルのオーナーや管理会社も、さまざまな工夫をしています。
ところが、なぜかチラホラ空室が出てしまうオフィスビルがあるかと思えば、常に待ちが出るほど人気のオフィスビルもあります。そうした人気のあるオフィスビルは、いったい顧客の満足度を高めるために、どんな工夫をしているのでしょうか?
本記事では、オフィスビルの空室が発生する原因と、今日から実践できる空室対策を5つに絞ってわかりやすく解説します。
目次
オフィスビルの空室対策は早めの対応が重要な理由
「そのうち埋まるだろう」と空室を放置してしまうオーナー様は少なくありません。しかし、空室が長引くほどビルへの悪影響は積み重なります。
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- 収益の損失:空室期間の賃料はゼロ
- 物件価値の低下:空室率が高いビルは市場評価が下がり、将来の売却にも影響します
- 管理コストの増加:入居者がいなくても清掃・設備維持のコストは発生し続けます
空室対策は「空室が出てから動く」のでは遅く、日頃からの予防的な取り組みと、空室発生時の迅速な対応の両方が求められます。
オフィスビルの空室が発生する4つの原因
空室対策を行う上で重要なのは、原因を正しく把握することです。原因がズレていると、どれだけ施策を打っても効果は出ません。
賃料が市場相場と合っていない
周辺相場より賃料が高い場合、テナントは競合物件へ流れます。特に築年数や設備に対して価格が見合っていないと、内見すら入らないケースもあります。適正賃料の設定は空室対策の基本です。
設備や共用部の魅力が不足している
空調やトイレなどの設備が古いと、快適性の面で敬遠されます。また、エントランスや共用部の印象が悪いと、内見段階で候補から外されやすくなります。
ターゲット(入居企業)が明確でない
ターゲットが曖昧な物件は選ばれにくいです。スタートアップ向けか大企業向けかなど、ターゲットを明確にし、それに合わせた条件設計が必要です。
募集・リーシング施策が弱い
仲介会社への情報提供が不足していると、紹介機会が減少します。また、Web上での露出が弱い場合も機会損失につながります。リーシングは戦略的に行う必要があります。
オフィスビル管理の空室対策5選
ここでは、オフィスビルの空室対策として特に効果的な5つの方法をご紹介します。
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- 借主とのコミュニケーションを大切にする
- 内見者から選ばれるオフィスビルの環境をつくる
- 設備・共用部のバリューアップを図る
- 募集条件を市場に合わせて見直す
- プロパティマネジメントで空室対策を行う
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空室対策①:借主とのコミュニケーションを大切にする
最も確実な空室対策は、既存テナントに退去されないことです。新規テナントを探すコストや手間を考えると、今いる借主に継続入居してもらう方が経営効率は大幅に上がります。
テナントが退去を考えるタイミング
借主が退去を検討し始めるのは、多くの場合契約更新のタイミングです。更新時期までは多少の不満があっても継続利用されるケースが多いですが、更新が近づくと「他のビルと比べてどうか」と改めて検討を始めます。設備への不満、快適性の低下、管理への不信感——こうした不満が積み重なって退去につながります。
さりげない心配りが「また更新しよう」につながる
快適なオフィス空間を提供するという視点でのさりげない気配りが、借主の満足度を高めます。
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- お正月・七夕・ハロウィン・クリスマスなど、季節に合わせたエントランスの装飾など、視覚で楽しめるような演出
- エレベーターのカーペットを季節感のあるデザインに変える
- 共用部に植栽やポスターを置き、ほっとできる空間を演出する
- 小さなトラブルや要望に、迅速・丁寧に対応する
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空室対策②:内見者から選ばれるオフィスビルの環境をつくる
テナントが退去した際、次の借主を迎えるまでの期間をいかに短くするかも重要です。そのカギは内見時の第一印象にあります。どれほど立地が良くても、内見で悪い印象を与えてしまえばその場で候補から外れてしまいます。
トイレの清潔感が決め手になる
内見者が必ずチェックするのがお手洗いです。ビル全体の管理レベルを象徴する場所であり、わずかな汚れや臭いが残っているだけで、悪い印象を与えてしまいます。
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- 隅々まで清潔を保ち、内見前に必ず確認する
- アロマや芳香剤で快適な香りを演出する
- 女性テナントも意識した設備・清潔感を心がける
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細部への気配りが「選ばれるビル」をつくる
内見者の目は細かいところにも向きます。「なんとなく管理が行き届いているな」という印象の積み重ねが、入居の決断を後押しします。
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- ビル前の歩道・側溝の清潔さ
- 共用部のダストボックスの整理・デザイン
- エントランスの照明の明るさと清掃状態
- 廊下・エレベーター内の傷・汚れへの迅速な対応
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空室対策③:設備・共用部のバリューアップを図る
清潔感や印象づくりと合わせて、設備面の競争力を高めることも空室対策に有効です。テナントはオフィスを選ぶ際、賃料と物件のコンディションをシビアに比較しています。「この賃料に見合う価値がある」と感じてもらえるかどうかが、成約の分かれ目です。
テナントが特に重視する設備・仕様
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- 通信インフラ:高速インターネット・光ファイバー対応は現在ほぼ必須
- 空調の快適性:個別空調か、時間外でも対応できるかどうか
- セキュリティ:機械警備・防犯カメラなど
- エントランスの印象:内装デザインを見直すことで、物件の印象向上が期待できる
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空室対策④:募集条件を市場に合わせて見直す
物件の魅力を高めても、募集条件が市場とズレていると内見にすら至りません。周辺の類似物件の成約賃料を定期的に調査し、適正水準を把握しておくことが重要です。
すぐに試せる条件面の工夫
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- フリーレントの設定:1〜3ヶ月の賃料無料期間は、初期費用を抑えたいテナントに有効なインセンティブです
- 敷金・礼金の柔軟対応:スタートアップや中小企業は初期費用に敏感なため、引き下げることで問い合わせが増えるケースがあります
- 賃料の適正化:慢性的な空室が続く場合は、賃料水準が市場より高い可能性があります
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空室対策⑤:プロパティマネジメントで空室対策を行う
ここまで紹介した①〜④の対策は、どれも効果的な方法です。しかし、「何から手をつければいいかわからない」「管理業務が煩雑で対策まで手が回らない」というオーナー様も多いのではないでしょうか。
そうしたお悩みに応えるのが、プロパティマネジメント(PM)です。PMとは、ビルオーナーに代わり、テナント誘致から設備管理・条件交渉・収支報告まで、不動産運営に関わる業務を一括して代行するサービスです。
プロパティマネジメントで解決できること
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- 市場調査にもとづいたテナント募集戦略の立案・実行
- 仲介業者との連携強化による集客力アップ
- テナントとの条件交渉・クレーム対応の代行
- 設備のメンテナンス計画・バリューアップ提案
- 賃料・共益費の入金管理・収支レポートの提供
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特に延床面積1,000坪以下の中小ビルは、大型物件に比べて一棟あたりの空室の影響が大きく、個人オーナーが一人でマーケット変化に対応し続けるのは容易ではありません。
西村理兵衛商店では、中小ビルに特化したプロパティマネジメントを提供しています。不動産業60年で培った知識とネットワークを活かし、オーナー様の収益最大化をサポートします。仲介手数料や工事マージンはいただかず、オーナー様の立場に立った提案を行うことが当社の強みです。
オフィスビルの空室に関するよくある質問
ここでは、オフィスビルの空室に関するよくある質問をご紹介します。
オフィスビルの空室率はどのくらいが危険ラインですか?
一般的には空室率が20%を超えると、収益性に影響が出始めると言われています。
ただし、立地や築年数によって適正水準は異なるため、エリア相場との比較が重要です。
空室対策はいつから始めるべきですか?
退去が決まってからではなく、「退去予兆(更新時期・稼働率低下)」の段階で対策を始めるのが理想です。早期対応により、空室期間を最小限に抑えることができます。
空室が長期間埋まらない場合はどうすればよいですか?
半年以上空室が続く場合は、現状の募集条件や戦略を見直す必要があります。
具体的には以下の施策が有効です。
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- フリーレントの導入
- 保証金・契約条件の緩和
- ターゲットの再設定
- 内装・設備の部分改修
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それでも改善しない場合は、区画分割や用途変更(コンバージョン)など、より大きな施策も検討する必要があります。
まとめ
オフィスビルの印象を良くすることは、ビル空室率を下げ、引いてはオフィスビルの収益を上げることにつながります。
よく「女性がたくさん入る飲食店は繁盛する」と言われますが、それはオフィスビルもまたしかりでしょう。ただ単に駅に近くてスペースが広いといった物理的要因だけでなく、女性が喜ぶようなきめ細かなサービスを提供することが、これからのオフィスビルには求められています。
オフィスビルの空室対策や安定した経営方法など、ご相談を承っております。
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