「空室ゼロ」を目指すオフィスビル管理の裏ワザとは?
オフィスビル管理にとって、何よりも重要なのが「空室ゼロ」をキープすることです。空室率を下げるために、もちろんどこのオフィスビルのオーナーや管理会社も、さまざまな工夫をしています。
ところが、なぜかチラホラ空室が出てしまうオフィスビルがあるかと思えば、常に待ちが出るほど人気のオフィスビルもあります。そうした人気のあるオフィスビルは、いったい顧客の満足度を高めるために、どんな工夫をしているのでしょうか?
01.借主とのコミュニケーションを大切にする
テナントの借主が撤退を考えるタイミングは、契約の更新のとき。
それまでは多少の不満があっても我慢しますが、契約更新の時期になると、「このままここにいてもいいのだろうか?」「ビルは古いし、エレベーターもなかなか来ない」などと、あれこれ不満を抱き始めます。
そんな時に、常日頃からオーナーや管理会社が借主とのコミュニケーションを心がけていると、「やっぱり今度もここにお世話になろう」と、思い留まってくれるのです。
借主とのコミュニケーションといっても、旅館ではないので、玄関に立って「おかえりなさい」と言うわけにもいきません。オフィスビルを管理する側としては、あくまでオフィスを快適にするという視点で、さり気ない心配りをアピールする必要があるのです。
たとえば、お正月や七夕・ハロウィン・クリスマスなどの年中行事の際に、さり気なくエントランスに七夕の笹や、ハロウィンのランタン、クリスマスツリーなどを飾ったりするのもいいでしょう。エレベーターのカーペットを季節感のあるデザインにしたり、ホッと安らげるポスターを貼ったりするのも効果的です。決して多額の経費をかけなくても、そうしたさり気ない心配りに、借主は意外と喜びを感じるものです。
特にエントランスや共有部分は、オフィスビルの顔ともいえる重要な場所。ここをどんな風に魅力的に演出するかは、空室率に大きく影響してきます。地域の雰囲気やオフィスビルのイメージなどを考えながら、場合によっては内装デザインのプロに依頼してでも、イメージアップを図る必要があるでしょう。
02.内見者から選ばれるオフィスビルに
オフィスビルの空室率をゼロにするといっても、社員の増員などさまざまな理由で、退去する借主さんは必ずいます。その際、数ヶ月前に退去を告げられ、実際に退去するまでの間に、何とかして次の借主を見つけなくてはなりません。
その時に「ここのビルにしよう」という気持ちにさせる工夫をしているか否かで、ビル空室率には大きな影響が出てきます。つまり、人間と一緒で「第一印象」がとても大切だということです。
その中でも最も重要な場所が「トイレ」です。テナントの内見をする際、お客様は必ずトイレをチェックし、快適に利用できるかどうかを判断します。その時にトイレが臭かったり、ほんの少しでも汚れたりしていると、とたんにお客様の熱は冷めてしまいます。トイレは隅々までピカピカにし、できればアロマスプレーなどで良い香りを漂わせておきましょう。
また、細かい部分への気配りも、意外と重要です。たとえばオフィスビル前の側溝の清潔度、共有部にあるダストボックスのデザインなど。こうした細かい部分に繊細なまでの配慮をしてこそ、「内見者から選ばれるオフィスビル」になれるのです。
03.まとめ
オフィスビルの印象を良くすることは、ビル空室率を下げ、引いてはオフィスビルの収益を上げることにつながります。
よく「女性がたくさん入る飲食店は繁盛する」と言われますが、それはオフィスビルもまたしかりでしょう。ただ単に駅に近くてスペースが広いといった物理的要因だけでなく、女性が喜ぶようなきめ細かなサービスを提供することが、これからのオフィスビルには求められています。
オフィスビルの空室対策や安定した経営方法など、ご相談を承っております。